◆プログレッシブ・ロックへの憧れ

YESのアルバム「こわれもの」

 

MonosのKAZOOです。プログレッシブ・ロックについて書いてみようと思います。私がプログレッシブロックのアルバムを初めて聴いたのは中学2年生の時、ロックアルバム貸出しをしていた友人から(貸出帳に記入して期限を切られて(笑))ELP(エマーソン・レイク&パーマ)の「展覧会の絵」を借りたのでした。さっそく聴きましたが、ELPは、あまりピンと来ませんでした。そして、次に(またもや)彼から借りたYESの「こわれもの」にはすっかり心を奪われてしまいました。超絶テクニックに圧倒されました。ヴォーカルのジョン・アンダーソンの美しい声、スティーブ・ハウのギターは、それまでレコードが擦り切れるほど聴いたハードロックのそれとは一線を画すもので、まずチョーキングをしない奏法に当時は戸惑ったものです。(珍しいことではないですが…(-_-;))


私が愛したアーティストたちは殆どが60(歳)代~70(歳)代です。みなさん再結成してプレーしておられますが、ギターやドラムス等はともかく、ヴォーカルに関していうと、昔のように歌えていない方が殆どといっていいですが、このジョン・アンダーソンに関しては、何歳になっても変わっていないので驚き桃ノ木山椒の木です。


プログレで衝撃的だったのは、やはり1曲で10分を軽々と超えるような大作です。それまで聴いてきたロックでは長くても6~7分ですので、私の周りでは殆ど広まりませんでした。私の場合、最初にELPは好きになれなかったものの、次に聴いたのが、YESだったことが幸だったのか不幸だったのか、とにかくロックにクラシックがミックスされた感じで「カッコいい~♬」と思ったのと、ギターのテクニックに飢えていたのがハマった理由です。

 

ジョン・アンダーソンの歌はよく真似をしようと試みたものです。今でこそ、近い声を手に入れてはいますが、当時の私にはとてもとても無理な話だったのです。歌は喉に無理をかけて歌うものではないのです。変に人の真似をしようとすると、喉に負担をかけてしまい、声帯を痛めてしまう結果となるのです。

 

あっ(汗)、話が反れてしまいましたので戻しますが、プログレの魅力は、先ずはメンバー全員が超絶テクの持ち主であるということ、そして曲の壮大で複雑な構成にあります。ある書籍の一節をお借りしますが、イエスがおそらく「プログレ」の一般的イメージにもっとも近い。”プログレ”っぽさの記号は、ほぼすべてイエスの特徴でもある。曰く「大仰なショー」「SFや神話、ファンタジーに想を得た叙事詩的主題への傾倒」「クラシック音楽の空間感覚と不朽への意志をロックの荒々しい力とエネルギーに結合させようという企図」「幻惑するような名人芸」プログレという「放縦で唯物的」で「エリート主義的」な音楽ジャンルを一つのバンドで代表させるとしたら、それはイエス以外にない。

(70年代ロックとアメリカの風景 長澤唯史著)

 

「ちょっと何言ってるのか分からないですけども(笑)」とまあ、イエスというバンドは、私の脳の中の数少ない知的部分をもの凄く刺激してくれる存在であり当時の私のヒーローでもあったのです。

 

興味が湧いた方は一度聴いてみてください。おすすめするのは、冒頭の写真の「こわれもの」というアルバムです。私が最高傑作と思っているラウンド・アバウトという曲から始まり、今はなきベーシストのクリス・スクワイアのトレブリーでエッジの効いたベースが冴えるハート・オブ・ザ・サンライズ(放題:燃える朝焼け)まで、たっぷりと堪能できます。

 

こうやって書いてると、また聴きたい虫がわいてきました(笑)

 

2021年12月06日