◆最もノスタルジアを感じるアーティスト
十人十色の話ですが、私の場合「カーペンターズ」です。……意外だったですか?
カーペンターズというバンドの醸し出す独特な世界観は、私の中では唯一無二となっています。
中学生という、子供でもない大人でもない人生の中で最も難しい時期に、友達と一緒に、もがきながら、あがきながら受験勉強をした思い出も、家族とぶつかりながら過ごした思い出も、思い出すたび、いつもその背景で音楽が流れています。それがカーペンターズです。
歌うのが好きな私ですが、彼らの歌は歌いたいわけでなく、聴いていたいカテゴリーで、きっと思い出の中に、あの重厚で温かみのあるサウンドが深く沁みついているのでしょうね。
中学生だったある日、友人の家でカレン・カーペンターの歌声(Top of the world)を初めて聴き、あまりの心地よさに、即ファンになったことを思い出します。
何かの番組だったと思いますが、カレン・カーペンターの声を科学的に調べたところ、人間がもっとも心地よく感じる声質であるということが証明されたというものでした。たしかに初めて耳にしたときのあの聴き心地のよさ、もっともっといつまでもこの声を聴いていたいという感情が止まりませんでした。完全に虜になっていましたね。失礼、現在もですね・・・(笑)
そしてカレンの歌と絶妙にマッチしたバンドと兄リチャードのピアノとハモリが最高なんですよ。
高校受験の勉強中にヤングリクエスト(通称ヤンリク)でYesterday once moreが、“When I was young, I’d listen
to the radio~♪”と、ラジオから流れてきて思わず手を止めてコーヒー片手に聴いたことや、カレンがドラムを叩きながら歌っていることを知って驚いたこと、しかもドラムを叩くカレンがいきいきと幸せそうに笑ってた顔とか、日本公演でたどたどしい日本語でSINGを歌ってる姿とか、本当に残念ながら、カレンが若くして亡くなったことに心を痛めたことも、昨日のことのように記憶が鮮明に蘇ってくるんです。
私の中で、カーペンターズのポジションが、数十年間変わらないことから、おそらくはこの先も、この命尽きるまで(笑)、変わることはないだろうと思っています。
あなたにとって、ノスタルジーを感じるアーティストは誰ですか?